
沖縄の青い空の下で、赤瓦屋根に凛と佇む2体のシーサー。
観光地で有名な国際通りをはじめ、多くのお土産店でマスコットキーホルダーのようなものから本格的な置物などさまざまな商品が販売されていますが、このシーサーに込められた意味や由来はご存知でしょうか?
知らないまま適当に飾ると損しちゃうかもしれません。
シーサーのオスとメスの性別の違いと、その見分け方についても詳しく説明していきますよ〜。
シーサーを置くのはこんな意味があった!
沖縄の民家では必ずと言っていいほど2体のシーサーが出迎えてくれますが、アパートやマンションなどの集合住宅入口に置かれていることも珍しくはありません。
少し前には、那覇のとある小学校の通学路に突然、大量のシーサーが出現したなどと県内のニュースで取り上げられました。
設置者は不明ながら通学中の小学生を見守ってくれているとして、小学校が大切に保護していくということで話題にあがっていましたよ^^
このように沖縄ではシーサーは大事に扱うものになっていますが、そのキッカケとなったのは1689年にさかのぼります。
その昔、東風平(こちんだ)の村落で火事が頻発して困り果てた村人が風水師に相談したところ、今は桜の名所として有名な八重瀬岳(やえせだけ)が影響しているとし、その災いを防ぐにはその山に向けて獅子の像を作って設置するというものでした。
その助言通りに獅子を設置したところ、ピタリと火事が発生しなくなったそうです。
獅子は災難を防ぐと強く信じられるようになり、それ以降、沖縄各地に村落獅子が広まり、今でも県内には多くの村落獅子が残っています。
さらに当時禁止されていた民家の赤瓦使用が解禁されたこともあり、屋根獅子として守り神「シーサー」が普及する追い風となり、建物の門や高台などに設置されるようになったそうですよ。
この時に作られたシーサーは今でも残っており、最大最古のシーサーとして沖縄県指定有形文化財に指定されています。
その名も『富盛の石彫大獅子(ともりのいしぼりうふじし)』といい、石彫りの体には沖縄戦争を物語る砲弾の後が残り、戦争を生き抜いたとても貴重な文化財となっています。
このようにしてシーサーは“守り神”として「魔除け」の意味を持ち、沖縄の人々を長年に渡り守り続けているのです。
シーサーの由来について
シーサーは、中国から入ってきていた獅子(しし)を沖縄方言で発音したもので、八重山諸島ではシーシーともいわれます。
獅子が沖縄に伝来した当時は、高貴や王宮などの守護神として遣われる貴族のものでしたが、庶民に広まるようになったのが先に書いた1689年のことからとなります。
また西洋から中国に伝わったときに呼び名が、サンスクリット語の「simha(シンハ)」から「獅子(しし)」に変わり、沖縄では「シーサー」もしくは「シーシー」として定着しました。
沖縄方言だとなんだか可愛らしく、とても愛着が持てるような感じがして不思議ですね。
シーサーにはオスとメスが?性別の違い見分け方!
シーサーには口を開けているものと、口を閉じているものがいるのを知っていましたか?
実はコレ、口が開いているか開いていないかの違いでオスとメスに区別されるのです。そのため、このことを知らないと知らず知らずのうちに「オスとオス」、「メスとメス」なんてチグハグで購入し飾っていたりするかもしれません^^;
基本的にはシーサーはオスとメスの2体でひとつ、口を開いているのがオス、口を閉じているのがメスとなります。
これは私の思い違いかもしれませんが、なんとなく表情もオスの方が威厳がある気がします(笑)。
さすがにお土産屋さんで購入するときは、店員さんが教えてくれるかもしれませんが、フラッと入った焼き物(ヤチムン)屋では、1体ずつで売られている事も珍しくありませんので是非、お顔に注意して性別を見分けてみてください。
口の開いたオスが災難を防ぎ、口の閉じたメスが福を招き入れるという役割なので、2体で本領発揮となります!
オスは言うべきことを言い、口から火を吐いたり噛み付いたりするなどして威嚇や退散に徹し、メスは慎ましやかに幸せが逃げないように勤めます。
ただし一般的にはこのような説となっていますが、複数のいわれがあり性別については明確にはされていないよう。
私はこの説以外を耳にする事は特にないので、一般論として覚えてもらって問題ないかと思います。
まとめ
まるで沖縄の理想の夫婦像であるようなシーサー。
夫が口から火をふいたらとても困りますが、その勢いで家庭を守っていってもらいたいものですね。
魔除けだけではなく、沖縄独自文化として根付いたシーサーにはさまざまな形や大きさ、顔の違いがあるので、見て周るのも楽しいです。残波岬の高さ7メートル巨大シーサー『残波大獅子』は迫力満点ですよ。
是非お気に入りのシーサーを探してみては^^
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